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古民家・古材に「生命」を吹き込む再生の匠、有限会社 久保田建築店

電話でのお問合わせは0265-22-1276

〒395-0077 長野県飯田市丸山町3−6078−27

次代に継ぐ再生の技と心detail


建築大工の道を歩んで五十有余年。
私にとって「民家再生」は木造建築における技術追求の到達点であり、後進への継承を課したライフワークといえる仕事です。

伝統的な民家は、厳しい環境風土に耐えられるように、同じ環境で育った優秀な木材を使用して造られていますが、多くは長い歳月の間に土台は腐り、柱は傾き、間取りや設えも現代の生活様式にそぐわなくなっています。
ただ、それを不便だからと無造作に取り壊せば、その家に詰め込まれている思い出や歴史といった無形の文化財も失われ、木の命もそこで絶たれてしまいます。

再生は、単なる改造、修繕ではありません。限りある資源を有効に使い、その家の歴史や思い出を残しながら、施主の生活スタイルに合わせて新しく空間を創りなおし、さらに幾世代にも愛され住み継がれていく民家へと生まれ変わらせることです。
再生工事は、基礎から土台、柱、梁など、その家を支える部材を健康な状態に戻すことから始めます。百年以上を経た古材を扱うには、筋かい等を用いずに傾きを止めたり、歪(ゆが)みや捩(ねじ)れを解消したり、新材との違和感を無くしたり、また時には、建物全体を移動させるなど独自の技能が要求されます。手間と工期は新築の二倍を要しますが、取り壊さず住み続けたいという、お客様の願いを常に心に留め、民家再生の仕事を手掛けてきました。

歴史を生かしながら、そこに新しさを取り入れ、いつまでも古くならない不変を追及する。それが再生の真髄であり、同時に、そこには私どもの久保田建築店の建築、経営に対する基本理念が宿っています。
                                                          くぼた・ひでし